大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和28(あ)4056 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人青柳盛雄、同関原勇の上告趣意第一点について。

訴訟法違反の主張であつて、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。原判決の是認

した第一審判決が証拠に採用している所論被告人の検察官に対する各供述調書(自

白)が、強要によりなされたとの事実は、記録上これを認めることができないから

所論の違法は認められない。

同第二点について。

原判決の支持した第一審判決は、被告人の検察官に対する各供述調書(自白)の

外、一、Aの検察官に対する第一回供述調書、一、Bの検察官に対する第一回供述

調書、一、入国監理局登録課よりの回答電報一通、一、鑑定人C外一名作成の鑑定

書、一、D労働組合第六回臨時大会傍聴券一枚、一、E名義外国人登録原票一枚、

一、E名義外国人登録証明書一枚を補強証拠として掲げ判示第一事実を認定してお

り、該事実認定は右各証拠により十分肯認することができるから、所論憲法三八条

三項違反の主張は前提を欠き論旨は採用することができない。

同第三点について。

外国人登録令(昭和二四年政令第三八一号による改正前のもの)が外国人に対し、

居住地の市町村の長に対し所要の事項の登録を命じ、これに違反して登録の申請を

なさずまたは虚偽の申請をなしたときは処罰する旨規定したからといつて、憲法二

二条一項に違反するものでないことは、当裁判所の判例とするところであるから(

昭和二五年(あ)第五八六号同二八年五月六日大法廷判決、集七巻五号九三二頁参

照)、右判例の趣旨に徴し論旨前段は理由がなく、論旨後段は、被告人の外国人登

録証明書偽造、同行使の所為は緊急避難行為であるという事実誤認の主張に帰し、

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刑訴四〇五条の上告理由に当らない。

同第四点について。

法令違反の主張であつて、刑訴四〇五条の上告理由に当らない(原判決の是認し

た第一審判決は、被告人は肩書本籍、すなわち朝鮮咸鏡南道北清郡abc番地に在

籍する朝鮮人である旨を判示してあるから所論の違法は認められない)。

被告本人の上告趣意について。

事実誤認、法令違反及び量刑不当の主張に帰するものであつて、刑訴四〇五条の

上告理由に当らない(なお、論旨中被告人の検察官に対する自白が、脅迫によりな

されたという点については、前示弁護人青柳盛雄外一名の上告趣意第一点に対する

判断参照)。

また記録を調べても本件につき刑訴四一一条を適用すべき事由は認められない。

よつて同四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

昭和二八年一二月一五日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

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